時代に響く靴の音 〜過去へ、未来へ。吉靴房のあしおとが時を刻む〜

西陣の路地の角を曲がると、車がやっと一台通れるくらいの細い路の奥から
コンコンと木型を叩く、規則正しい音が耳に届く。
この路の先にあるのは、靴作家・野嶋孝介さんの工房「吉靴房」。
着物の帯地や金箔・藍染などの伝統的な素材を、
カラフルなヌメ革と組み合わせて
ひとつの靴の中に独自の世界観を成立させる――。
そんな、野嶋さんの一風変わった靴作りは、
いま、徐々に大きな反響を呼びつつある。

国の歴史、京都の歴史、自身の暮らしの過去と現在、そして未来。
制作にあたって野嶋さんは、長い、長い時の流れに思いをはせるという。
だからだろうか。野嶋さんのつくる靴は斬新なのに、
どこか懐かしい気持ちを呼び起こす。